超凡人サラリーマンのためのビジネス書ベスト100

意識が低すぎず高すぎず、大きすぎず小さすぎず普通の会社に勤めるサラリーマンが、大量に読んだビジネス書の中から本当に普通の人でも役に立つ、みんなが知らない意外な百冊を紹介していきます。

読書術・メモ本・ノート本=インプット/アウトプット本まとめ

結論

読書術本=インプット本、メモ本=アウトプット本というイメージだが、結局お互いに重複するトピック

インプット=読書術本の勧めることはたいてい以下の通り

・(目次から)内容を事前に予測せよ

・著者の主張を抽象化し、今現在自分が抱える問題に活かせ

・人に教えられるように簡単に要約せよ

・同じジャンルの本は固めて読め

・メモをとれ

(なおこれは主にビジネス書は実用書を対象とした読書術であり、教養書はまた別になるが、個人的に悪いイメージがある(コンサル系の人:例えば瀧本哲史とかの言う教養はだいたい大学での真面目な研究をバカにして居る感じがある)のでそこはいったん、おいておく。)

だが、私の好きな「○○実験によると」タイプの話は異様なまでに少ない。(もっとも私の拘泥が異様という説もある)せいぜい、人に教えることは最大の学習である、といったことが言われる程度である。抽象化して活かせというタイプのアドバイスはなるほどというか、私は最初から複数の例から抽象化されていないと納得がいかないタイプなのだが、過去はそういう本は多くなかったことでいうと、ビジネス書を読むにあたっては自信で積極的に抽象化出来る人のほうが活かしどころが多いだろう。

ふんわりした分野なので決定的な本がないので散発的に紹介する。

インプット・アウトプットが10倍になる読書の方程式

 

素晴らしい本とは思わないが、1冊1冊の主張を「視点」と「法則」という風に、抽象化して把握し、自分の問題に活かせ、ということのみで1冊貫かれているので、とりわけこれが足りないと思われる方は読んでも良いだろう。

視点が固定化しないように、リストアップして眺めているというのは、ラテラル・シンキングとかでふんわり「前提を疑え」みたいに言われるのに対して、具体的な対処法だとは思う。

知的戦闘力を高める独学の技法

 

ビジネスの話の場で、ぱっと歴史の事例とかをひっぱってきたいタイプの方向け。(人文系の概念のことも出ているが、人文系の概念はもともと抽象化されているので、ある程度腹落ちしてれば、自然と思いつくのであんまり「よーし活かすぞ」みたいに意気込む必要もないのではないか。)

まず自分の勉強する範囲をちゃんと決めたほうがよいということを言っていて、それ自体はたしかにという感じもある。この著者自体のスタンスとしては、よくある「トップ1%になるより、2つのジャンルのトップ10%になったほうが希少性がある」みたいな感じで、人文知とビジネスを結びつけますよという感じ。上のように、どちらかというと歴史のシーンをぱっと持ってこれるというのは面白いとは思う(二方面作戦とか)が、うーんビジネスに役立つという観点からはやはり軍事戦略系や地政学系であってこそという感じもする。

上の本と比べると浅く広くトピックが扱われている(抽象化についても出ているが、当然『読書の方程式』からすればあっさりしている)ので、概論としてまず読むには悪くない印象。

学びを結果に変えるアウトプット大全

 

 

インプット系の本というよりはメモ術的な内容を含んだ上で、TODOリストやコミュニケーションなど、よくあるライフハック系の話が雑多にまとまった本。樺沢紫苑の本はこういう感じで相互に重複している(よく言えば、1冊あたりの独立性が高いので、1冊で完結するようになっている)。ノートは全部同じシリーズにとって、日付で管理する、なんていうのはわかりやすい。

 

超独学法

 

知的生産の技術

ノート術

TAKE NOTES!

 

 

すべてはノートからはじまる

 

どうやら理論編のようだ。理論が好きなタイプなのでぜひ確認したい。

NLPコーチングのバランスホイールという目標達成手法について

NLPコーチングにおけるバランスホイールの要約

バランスホーイルとは人生において仕事~プライベートにかけて複数の目標を設定する考え方です。

それら複数の目的に繋がるような行動を優先的にやっていく、というやり方で成功を得ていこうという含意もあります。

目次

 

バランスホイールとは? バランスホイールの向いている人、いない人

バランスホイールについて最もわかりやすい記事を紹介しています。

note.com

バランスホイールが向いている人は何と言っても「やりたいことがたくさんある人」です。そういう人は時間が足りないので、必然的に「コスパ重視」派でしょう。そこで何から真剣に取り組んでいくか、それを決めてくれるのがバランスホイールです。

バランスホイールが向いていない人は、人生の目標をなにか1つに絞っている人です。仕事、家庭、研究など1つしか目標がない人にはバランスホイールのアプローチはてぬるく感じられるでしょう。下に書いたように、目標を限定することで達成に近づくということはママあることですから、これも正しい考え方です。

ただし、多くのひとは、仕事もプライベートも両方重視したいと考えていると思います。世の中もWLB(ワークライフバランス)といったことを言う時代です。ですから、バランスホイールはかなり多くの人にとって役立つ考え方だといえます。

そもそもNLPコーチングとは? 怪しくないの?

バランスホイールの考え方の背景にあるのはNLPコーチングです。そもそもNLPというのは

Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略称で、別名「脳と心の取扱説明書」とも呼ばれる最新の心理学です。

NLPとは? - NLP-JAPAN ラーニング・センター 公式サイト・神経言語 プログラミング

 

と研修団体は主張しています。しかし、心理学といったときに「学術的に厳密であり、立派な大学で研究されている」というニュアンスを感じる方もいるでしょうが、NLPはそういう意味で心理学とは呼べません。

しかし自己啓発的な考え方の1つと言えます。私はこれを有効なものだと考えています。詳細は下記の記事にありますが

(1)科学そのものはセルフコーチングの手法を提案しないので、コーチング手法として洗練されている手法が必要

(2)セミナーが多く開催されているため、ある程度実験された実践的な理論とは言える

 

bestbooks4averageman.hatenablog.com

 

バランスホイールはNLPコーチングに限った考えではなく、科学的に有効でもある

ただし、バランスホイールはNLPコーチングに限った考え方ではありません。以下の本

 

にもかなり近い概念が出ていましたので、紹介します。

まずこの本は、ハーバード・ビジネス・レビュー(ハーバード大学とは直接の関係がないですが、だいたい学識ある人物、もしくは論文形式のものを取り扱うビジネス書です。)の自己啓発部門でのベスト集人でも言うべきものです。

トップには有名人枠としてドラッカーとクリステンセンが来ています。

 

 

ドラッカーは本来経営学者ですが、タイムマネジメントのススメや、手帳をつけて自身の強みを把握するような助言もしており、自己啓発分野でも名前が出ることがあります。

クリステンセンもイノベーションなどを扱う経営学者ですが、学生に人気の教授ということもあり、学生への講演がこの本では収められていました。

 

そうしたメンツを筆頭にしたこの本の中でスチュワート.D・フリードマンによってバランスホイールに近い考え方が紹介されています。

仕事、コミュニティ、家庭、趣味の四方面について同時に勝利しているアクションを目指すということです。実際この著者はコーチングをしていたようす。要はコーチングのベース理論がNLPであるかに関わらず、バランスホイールは目標達成の技術の1つということでしょう。

 

この本のタイトルにあるleadershipは主導権とでもいうべきものです。

要は仕事とプライベート両面を考慮したアクションをやっていって、人生に主体性を取り戻そうというものですね。インテグレート(integrateは統合という意味です。例えば仕事の目標とプライベートの目標の統合ということでしょう)アプローチというわかりやすい言い方もされています。

 

バランスホイールと反対の考え方もある?

一般に目標達成術においては、目標は絞ったほうがいいというアプローチ

 

 

がとりあげられることもあります。上の本では目標を絞ることの重要性について書かれています。

 

 

 

成功そのものではありませんが、何らかの技術を身につけるには1万時間が必要であるという意見もあります。1万時間というのは一日4時間やって2500日、7年かかるわけです。当然のこととして、いろいろなことをやるとこれは達成しづらいです。

 

しかし、小さい成功体験が大きな成功体験を呼び寄せるといったタイプの本も多いです

 

 

バランスホイールで掲げられる目標は、1万時間を要求するほど高度なものは多くありません。仕事上の目標はともかくとして、家族との関係や地域社会との関係などは、普段の心がけから変わっていくものです。ですから、

であるとするならば、一つのアクションで複数の目標を達成出来るように考えておけば、少なくとも1つの目標に達成出来る可能性は上がりますから、モチベーションの面、継続の面で有利になる可能性もあります。

私が実践したバランスホイールの例

私はコスパ

人ととのコミュニケーションを学んで、婚活と仕事を両方充実させよう

健康について学ぶことで、自分もパートナーも幸せにしよう

結論:私はバランスホイールは有用な考え方だと考える

このアプローチについては、意外に目標達成系の本ではあまり扱われていないので、NLPコーチングが目をつけている興味深い側面だと言えます。

 

関連記事

1万時間の法則については疑いも持たれています

 

bestbooks4averageman.hatenablog.com

この記事に、様々な自己啓発書に「科学的」としてあげられていることに根拠がないことが暴かれつつあることについて書いています。

NLPについては

 

bestbooks4averageman.hatenablog.com

こちらの記事に書いているように、私は下記の立場をとっています。「NLPは科学そのものではないですが、科学自体は自己啓発の手法を直接指示はしてくれない。したがって科学的知見を部分的に参考にしつつ、自己啓発について、PDCAの成果を経たジャンルということで、一定の意味のあるジャンルである」ということです。

性格の科学的な扱い(ビッグファイブ)を述べた本はわずかしかなく、ほとんどがオカルト

性格と成功を結びつけたり、リーダーシップを説いたり、そうした本はかなり多いですが、その性格の分類は何に基づくものがよいのでしょうか?

流石に動物占いでは信じる気持ちが湧いてきづらいですよね。

 

性格の分類といえば、いまの心理学の分野ではビッグファイブと相場が決まっています。

これは性格を表す言葉を因子分析してでてきた5つの性質で、のちに神経物質の多寡などとの結びつきも明らかになり、一層科学的根拠が集まってきている分類です。

比較的科学なものとしては

ミネソタ多面人格目録(ミネソタためんじんかくもくろく、Minnesota Multiphasic Personality Inventory)は、質問紙法の心理検査で、英語名の頭文字をとってMMPIとも呼ばれる。

ミネソタ多面人格目録 - Wikipedia

もありますが、これもいまはDMSにとってかわられつつあります。

 

見かけが科学っぽいのでよく使われますが、今は信頼性が否定されている分類としては

MBTI(Myers–Briggs Type Indicator、マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標)

があります。

MBTIの診断は、科学的な心理測定の観点においては、特に次の4つの点から著しい不備があるとされ、疑似科学として批判の対象となっている[7][8][9][10]。1つ目は、測定対象を測定していない、予測力がない、一般化できる項目がないといった有効性に乏しい点。2つ目は、同じ人物にも関わらず、異なる機会にMBTIを受験すると異なる結果が出てしまうという信頼性に乏しい点。3つ目は、互いに相関する特性を独立したものとして測定しているという点。4つ目は、神経症傾向という特性が含まれていないため、性格診断において包括的なものではないといった点である(#批判を参照)。

 

4文字のアルファベットで表されるやつですね。これは日本よりアメリカでむしろかなり定着していたようで、一種の血液型占い的な知名度があったようです。

とはいえ日本でも検索すると就活サイトが出てくるぐらいなので、まだ科学とみなしているところも多々あるのでしょう。

ユングがもとになっているという一文でピンとくる人はピンとくるというか、あくまで帰納的、かつ、えいやーっと個人のフィーリングをもとにしてそう、と思えるのが正しいです。(私自身はフロイトユングも好きですが)

 

さて、ビッグファイブという明確な指標があるにもかかわらず、それを活用したビジネス書は多くはありません。ビッグファイブそのものについて詳述した本はビジネス書要素や自己啓発要素を含んだものが少ないとも言えます。

 

ビッグファイブについてある程度自己啓発的な視点を含んで包括的に述べた本

 

ビッグファイブをもとにした指導についての記述がある本

 

正直わずかしかないんですが、さすが腐ってもマッキンゼー。科学的管理を旨とするという感じでしょうか。

 

 

最近本屋で並んでいるFFS

 

 

 

ソニー、ホンダ、LINE……大手企業が人材活用に採用する「FFS理論(※)」
(※「FFS(Five Factors and Stress)理論」とは、「凝縮性」「受容性」「弁別性」「拡散性」「保全性」の5つの因子の多寡とその順番を通して人間の潜在的な強みを把握する、小林惠智博士が開発した理論です)

だそうで、かつ作者さんは

1950年生まれ。国際基督教大学を経て、ウィーン大学基礎総合学部哲学専修科(修士課程)修了。モントリオール大学国際ストレス研究所で専門研究員。ストレス学説創始者ハンス・セリエ博士のもとで「ストレスと性格特性」に関する研究に従事。フロリダ州立大学社会心理学研究室で実験心理学を専修。教育学博士。ノースウェスタン大学組織経済学研究室、組織および教育経済学研究および客員教授。経済学博士。 米国・国防総省ペンタゴン)国際戦略研究所 組織戦略・組織編制専門研究員として「最適組織編成プロジェクト」に参加しFFS理論(最適組織編成の為の個性分析と組織編成法)を提唱した。

だそうです。経歴はスタートこそ哲学科ですが、教育学で博士号をお持ちですし、そこまで怪しい経歴とは言えません。

hirayama-ns.jp

 

しかし、上の「あなたの強み」なんかを読むと、なかなか腑に落ちない感じが続きます。

このうち「保全性」と「拡散性」が気質的(遺伝的)だとされています。保守性と積極性みたいな感じのファクターなのですが、ビッグファイブで言う開放性の軸に近いです。そこにいわゆる合理を重んじるかどうかの「弁別性」、あとはべき論を重視する「凝縮性」、寛容さを表す「受容性」があるという感じで、それぞれの軸自体はどのタイプの性格診断でも出てくるものの、なんというか「Aというときもあるし、Bというときもあるな」という気持ちになってしまって、全然活かせる気持ちになりませんでした。開放性自体が私はビッグファイブだと高くなるのですが、「保全性」と「拡散性」についての質問に関してだと「保全」の方に入るんですね。おそらく仕事にフォーカスしている都合上、職場の環境なんかで答え方が変わるということなんじゃないかなと。そこはそれと思いつつ、個人的にはなかなか活かせる感じはしませんでした。

 

強み系でいえば

 

こちらのほうがよさそうな気配はあるのでいずれ読んでみようと思います。

覆されつつあるビジネス書あるある

 

総まとめ記事(成長マインドセット優位・マシュマロ・テスト・練習1万時間の法則は嘘)

実はこのことについてまとめた素晴らしい記事があります。どれもビジネス書や自己啓発書で頻出のネタです。追試して科学的な知見が進んでいるのは素晴らしいことですが、怪しいものがたくさんあるということですね。

note.com

 

自己啓発書での頻出案件としては

グロース・マインドセット理論

チェコ共和国の大学入学希望者を対象とした研究では、学力テストを用いて、マインドセットと達成度の関係を調べました。結果は、学業成績とマインドセットの関連性の強さが、これまで考えられていたよりも弱い可能性を示している

マシュマロテスト

1万時間の法則

 

 

 

タスクは難しいものから手を付けよ→かんたんなものからやったほうがいい

 

意志力は使ってるうちにすり減る→減らない

 

 

やり抜く力(GRIT)、意志力(GRITWILLPOER)、モチベーション管理系の本まとめ

 

こちらの3章があたっています。意志力

 

次におすすめなのは

 

 

です。

 

いわゆる成長型マインドセット(この本では対義語は証明型マインドセットとなっています)の良さについてはもちろん、かなり様々な目標達成の技術について書かれています。

 

おすすめでないのは、

 

 

こちらで、やってのけるを読めばほご不要な内容かなと思います。

 

タイトルに入っていないのでわかりにくいのですが、実は下記はWillpower Instinct(意志力の本能)というタイトルの本で、全編がwillpowerにあてられています。やってのけるに比べると実践的な落とし込みが弱いとは思いますが、興味があれば読んでもいいとは思います。

 

意志力の限界を指摘した本もあります。

 

現代はWillpower Doesnt Workだそうで、環境の重要性をときます。

が、「人は付き合う人の平均」なんていうのは、自己啓発の定番ネタで

 

にもでてきますし、住む場所と年収の相関なんていうのも、国内のデータの本もありますよね

 

 

 

 

president.jp

 

いわゆる「引き寄せの法則」でも付き合う人をどうこうという話がでてくるんじゃないでしょうか(ちょっと詳しくないので聞きかじりですみません)

 

8章には、WOOPや実行意図、IF=THENプランニングといった定番ネタもでてきます。

全体では、割とよくある自己啓発本ですが、一応大学の先生が書いています。ただし、権威ある大学の先生というよりは、エッセイスト的な感じを受けました。根拠などについても詳細に示されることはなく、ほとんどが他の本でも摂取出来る要素といえばそうですので、とりわけ読んだほうがいいというわけでもないと思います。

 

具体的な目標達成本の決定版

 

 

実は上記の本に比べて圧倒的に具体的に落とし込まれているのがこれです。今すぐ試す!ということでいえばこの本しかないでしょう。

 

目標達成系自己啓発本:NLPは疑似科学か? あるいは科学的な「成功法則本」は存在するか?

目標達成系の自己啓発本って実はコーチングじゃない?

 

 

 

が、実はほぼ同じ内容でした。著者もふたりともコーチングをやっていて、背景にはNLPがあるようですね。

NLPとは? 疑似科学

NLPは、心理学のベースを持ちつつ、割と古い時代の知見に由来するものなので、疑似科学とされることもあります。精神分析が考案当時は医学の一環でしたが、今は非主流であることと似ています(日本以外ではいまだに結構メジャーというか、南米とかではかなり病院があるようですが。逆に日本でも、臨床心理士の教科書に森田療法が載っていたりと、必ずしも科学的な背景を持たないものが一定のリスペクトを受けてはいます。)

 

 

 

自己啓発本では、タイトルとかに載っていなくても、定番のネタです。逆にタイトルにNLPを謳ったものではベストセラーはないような気もします。

応用範囲も広く、ビジネスでの交渉術系、人とのコミュニケーション系、リーダーシップ系、恋愛に応用してナンパの本なんていうのもありますね。

心理学とNLPを同一視したり、その一分野としたりしている書き方の本は、ある意味学問的な厳密性はないと思って良いと思います。最近の自己啓発本エビデンスベースのものが多いので、そちらより胡散臭いと思う感覚があるのは非常に妥当だと思います。

 

ある意味胡散臭さを印象づけるために挙げると、この著者は「NLPナンパ」を唱えています(著者は慶應義塾出身だそうです)。より新しいナンパ本の系統の「恋愛工学」流派でもちょっと入っているのかな? NLPという単語が出てきたか、記憶にないです……。

 

 

こちらは定番のシリーズですが、NLPネタは3冊出てるので、人気があるのだと思います(この本はわかリ易いいい本だと思います)

これらの本はNLPを背景にあるから嘘?

個人的には、よりよい本があればそちらを探すのだが、実はない。なので、NLPコーチングも悪くない、というスタンスです。

個人相手に具体的に働きかけるテクニックで、かつ著者が複数人をコンサルタントした経験がある、(セミナーやってるだけ、よりは良さそうです)かつ、訂正可能性がある中での試行錯誤をもとにしている(スピリチュアル系は、本人が勉強しているつもりでも、試行錯誤の中で良くなっていく、ということはないので、この点ではNLP系のほうがややましでしょうか。)という点で、NLPコーチング系の本は、悪くはないと思います。

コーチングは、講演活動のみとか、占いとかよりはかなり具体的で、目標が達成できたかどうかという結果がありますから、訂正可能性のある営みだとは思います。

ちゃんとした心理学ベースの知見が日々更新されると様々あるわけですが、結局こうしようぜ!という実践的なまとめを求めると、著者の経験の多寡で判断せざるを得ないと思うのですね。

Daigo本とか樺沢紫苑とかは、NLPネタは多分あんまりないと思うんですが(少なくとも樺沢紫苑は医師であり、どちらかといえば脳科学寄りの知見をベースにしていますので、読んでいる限りNLPネタはないと思います)、基本的には科学的知見+個人の経験です。樺沢紫苑の場合は医師なので臨床的な知見もありますが、健康(特にメンタルヘルス)に関わること以外でいうと、自分の経験がベースになっているはずです。Daigo本はかなり売れていると思いますが、指導をしているわけではないので、あくまでまとめ本になります(といっても、これは海外の自己啓発系の本も同じです。ダニエルコイルとか。ですから別にいい悪いではなく、好みの問題です)。

ここで、あくまでまとめ本を選ぶか、学問的な厳密性(正直当該分野の専門家が書く場合以外は、ただの切り貼りだと思いますけどね)を犠牲にしつつ、ある程度の数の実践経験がある人を選ぶかは、個人の趣味の問題ではあろうと思います。

 

 

 

 

 

 

学問的に厳密なコーチングをしている人がいればいいんですが、私はまだ見つけてはいません。NLP以外でいうと、アサーションがベースになっていることが多いかなとは思います。アサーションはまさに臨床心理士なんかでも必ず出てくる概念ですから、NLPよりかなりエスタブリッシュメントと思っていいでしょう(というか、コミュニケーション系の自己啓発本を読む人で、アサーションのことをよく知らない人は、一度まとめて読んだほうがいいです)

 

こちらは割とアサーション寄りだった記憶があります。

 

いつものシリーズです。とっかかりとしては素晴らしい内容です。

 

 

これはスポーツ選手のコーチですが、理論的なコーチングを学んだ方なので、スポーツの例のほうが見に入るという方はこちらを読むとよいでしょう。

コーチングとリーダーシップについて

コーチングについて私はさほど知識があるわけではありませんが、チームワークについての本を読んだときに、リーダーの基本的なスキルとしてコーチングの技術があげられていましたので、いわゆるリーダーシップ系の本でも近いネタはあるかもしれません。

(すみません、どの本か思い出せず……。見つけたらリンクします)

 

ただし、チームワーク系の本はいわゆるGoogle系の心理的安全性が今は主流なので、あんまりこのあたりちゃんと書いている本もありません。ですから、トップに挙げた本を読んでみるのもいいとは思います。

 

 

 

ノート術系

これは全然詳しくないので、そのうち埋めるために項目立てしたものですが、目標達成系の本にはノート術とでもいうべきジャンルがあります。どうもNLPと習慣化ネタ、イメージの力ネタなんかを具体的に落とし込むとこういった本になるようです。私はまだあまり読んでいませんが、著者が実践指導した人が多いなら、案外悪くないのかもしれません。

 

 

 

WOOPによるネガ潰し

ノート術に関連するもので注目すべきものを見つけたので追記します。WOOPです。

WOOPについては

 

 

こちらの本の中に登場しています。3章がいわゆるGRITやWILLPOWER系の自己啓発について科学的根拠を探す内容になっています(この本では、各章がいわゆる自己啓発本=SELFHELPのジャンルに対応している本で、総まとめ的になっています。)

 

WOOPで言われているのは、いわゆる夢を達成した姿を思い描くだけではダメで、その障害を具体的に阻むものをイメージし、潰すようにアクションに落とし込むことが必要だということです。wish outcome obstacle planの略でWOOPとのこと。obstacleがないとダメだというのが新味ですね。

planに落とし込んでからはいわゆるGRIT系だったりWILLPOWER系の本が使えると言って良いでしょう。

 

 

具体的に目標が定まってからの意志力・GRIT・目標設定系については、いわゆる疑似科学っぽい本ではなく普通の本が一通りあるので、別の記事にまとめています。

やり抜く力(GRIT)、意志力(GRITWILLPOER)、モチベーション管理系の本まとめ - 超凡人サラリーマンのためのビジネス書ベスト100

 

脱線しました。

WOOPの法則については、下記の本が提唱者ということで紹介されています。

 

 

が、NLP系として紹介した上述の本に近い概念が登場しています。

いわゆるメンタルブロックやスコトーマ(『神メンタル』はこれを使っています。あとは苫米地英人もスコトーマという言葉を使うようです。苫米地英人は、政治的な発言があったり、なんだか偏った本が多くて、自己啓発本の著者の中でも私は敬遠してしまっていますが……。)がそれにあたります。

そこでは「思い描くだけでいい」だったりするのですが、実際は思い描けない、なぜかというとメンタルブロックがあって……という論法があり、NLPでそれをどうやって外すかというような流れになっていきます。

ただし、あくまで思い描くだけでいいとなっているのは少しスピリチュアル系で、コーチング系だとアクションに落とし込むイメージがあります。

 

「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!

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ですから、目標達成系でWOOP系+GRIT系のノート術があってもいいかなと思ったのですが、果たして、メンタリストDAIGOがそのようなノート術を出しています。

 

 

まだ内容が確認できていませんが、現状で一番疑似ではない研究に基づくノート術なので、まずノート術がほしいという場合はここから手を付けていいのではないでしょうか?

 

と思っていたのですが、実際、ノート術のベストセラーと思われる原田隆史の本は比較的WOOPに近い形式になっています。

 

 

オープンウィンドウ64は、苫米地英人も近いことを行っていたと思いますが、目標からアクションまで複数の経路で落とし込むメソッドですね。大谷翔平選手の名前を使って近頃の書店では平積みにされていますが、それ以前から人気のある著者だと思います。

 

ということで、DAIGO本の欠点としてやはり実践が弱いというところがありますが、DAIGO本含めて理論的な本と往復しつつ(私もある程度根拠がないと納得できないので)、こうした実践的なコーチングをしている人の本で実際に落とし込む、というのが、よきところなのではないでしょうか。

ジョブ理論の一番大事なことは日本人の本2冊が教えてくれた

 

 

このタイトルすごいんですよ「イノベーションを予測可能にする」って書いてるのに、読んだあと、予測できる方法なんて全く分からないです。

シェイクのエピソードがどこでも引用されてるわけですが、あれと「イノベーションの予測可能性」を結びつけるのは、凡人には無理でした。

 

で、タイトルの日本人というのは朝野 熙彦さんです。この方は、マーケティング・リサーチのコンサルティングをされてるのかな? 学者さんなんですが、現場に入ってやってらっしゃるので、非常に具体的なアドバイスをくれます。

(確かクリステンセンもそういう感じというか、ハーバードの経営学者は割とそうらしいんですがね)

ja.wikipedia.org

 

朝野さんがどれかの本で(ごめんなさい今書庫で探してるので見つけたら正確に抜粋します)「ジョブ理論の要諦は、ジョブに対して手段が雇用または解雇されるという考え方によって、市場規模が事前に推定出来ることにある」こう書かれていました。

わかるでしょうか? 要するに、空から何かが生み出されてうおーーみたいに人々が熱狂する、みたいなイノベーション観(iphoneとかそんな感じしませんか?)ではなくて、すでにジョブは人々の間に存在して、それを解決するために人々は何かをしている、それを代替する形で新商品が現れるので、もともとジョブに対応していた人の人数で市場規模は推定出来る、というわけです。(あとは、それにどの程度の値段を払いたいか、というのも事前に調べることができますね。電話をしている人の人数も、メールをしていたかつたとえばPCの前にいない時間=移動時間がある人っていうのも事前に調べることが出来ます。すると、移動中に電話をしたいとか、メールをしたい人の人数っていうのは事前に想定出来るわけです。)

つまりジョブ理論というのは「解雇」のほうがキモなんですよね。「解雇」があるから推定ができるという。

 

で、これを日本の本では「ニーズ」というふうに言ってきました。ニーズによる市場推定について触れている本としては

 

 

 

こういう本もあります。これも企業の新商品開発のコンサルティングを長くされている方の本です。この方はご自身で事前にどのようにジョブが雇用されているかから、新商品の市場規模を推定出来ると明確におっしゃっています(その「フォーミュラS」というのは非公開なのでコンサルしてもらわないとわかりませんが……)